鑑賞した日付:2024年5月31日
「炎628」 作者:エレム・クリモフ★★★★★
総合点:93点/100点
なんだかとんでもない物を見てしまった…。
第二次世界大戦中にナチス・ドイツが行った蛮行を映画化した作品。実話の映画化。
一応、グーグルで検索してはいけないワードとして「炎628」という言葉が云われており、だからこそあえて興味を惹かれて観てしまった映画。さて、その衝撃の内容は…、
(初期状態の主人公の無垢な表情)
こういうレビューを書くときに一応、他の人はその作品をどんなふうに評価しているのかな?と思って幾つか見る事があるのだけれど、殆どの人はあらすじを書いてしまっているんだよね…。まあ、それでもいいけど、僕はレビューを書く時、ネタバレにならないようになるべくあらすじは書かない様に心がけている。特にこの作品はあらすじが全て…とは言わないが、あらすじを語ることが完全にネタバレになるような内容なのでなるべく言わないよう心掛けて書くし、これから見ようと思う人もなるべくあらすじを知らずに見た方が作品を堪能できるのではないか?と思う。どうしてもあらすじが知りたいという人はウィキペディアでも見れば宜しい。
さて、そうは言っても簡単にどんな映画なのか説明しなければ始まらないのも事実なので以下、簡単に解説していくが、この映画は第二次世界大戦中に現在のベラルーシ辺りの村でナチス・ドイツが行った蛮行を史実の通りに再現したという内容で、その蛮行というのが、次々に村を襲い村民たちを焼き殺していった…というものなのだが、その一部始終に立ち会う事となった主人公の少年(フリョーラ)の視点で描かれている映画で、制作年は1985年。原題はロシア語で「Come and See(来て見てみろ!)」という。
なぜ邦題が「炎628」なのかというと、これは当時そうして焼かれた村が628もあった…というテロップが映画の最後に出る為だと思われる。
(炎628、自分のセイで村人が…のシーン)
この映画を見て、言いたいことや思いついたことや関連するエピソードとかは色々あるけれど、色々ありすぎてそれを全部書いて行ったらとても終わりそうもないので以下、なるべく短く簡潔に書こうと思う。
1985年に作られた映画にしてはリアリティーを含めた全体のクオリティーが死ぬほど高い映画でそこが本当に凄いと思いました。よくこんな映画…、この時代にこんなに上手に撮影してこんな映画を作れたな…という驚き。そしてこの映画を語るうえで、且つ、主に制作者視点で見た時に最も特徴的で特筆すべきことは、なんと言ってもこの主人公の少年(フリョーラ)の演技の表情の凄さです。本当に殺される寸前の人の顔・表情を作っているのが本当に凄すぎる。ナチに捕まって恐怖のあまり緊張してこわばった表情。それ以外の場面でも、また、それ以外の役者さんもみんな本当にその惨事の雰囲気が伝わってきて凄かった。
主人公の少年やその他役者さんは実際にその地域の人を使った作品で、言うなれば役者さんは主人公を含め"素人さん"だ。でも、逆に、それ故に、あの独特の空気、シリアスな演技になったのだと思う。美男美女のプロの、つまり慣れた役者さんを使ったらこういう雰囲気は出なかったかもしれない。
(ナチに捕まった時のフリョーラ)
(股座から血を流し笛を咥えさせられた状態で出てきたヒロイン)
そして僕の心に一番グッと来たシーンはラストシーン。
ラストはまず「ヒトラーの写真を撃つシーン」があり、そのあと、パルチザンがまた森の中を進軍していくシーンになって、それをフリョーラが追いかけるように行って終わるのだが、なんというか…、それだけの惨事が起こった後にそういう何事もないシーンで終わるというのは本当に考えさせられるというか、映画の余韻を感じる為には最高に渋いラストシーンだなと思った。
「グーグルで絶対に検索してはいけない言葉」としても認定されている映画「炎628」だが、僕はむしろなるべく多くの人が一度はこれを見ておくべき!と思いました。そういう、戦時における人間の残虐性など、誰しも知っておく必要があるのではないか?とすら思いました。
※まあ、世界の多くの民族が、特に中国人とドイツ人はそういう残虐性やグロ趣味みたいなものを元々持っている民族性があって、そういうのも多少関係している様な気がする。(ただし、この映画は衝撃的な内容なのだが、グロシーンなどは一切ない。それも凄いと思う。)
で、日本人は世界的にも珍しい、そういう残虐性があまりない民族性を持った民族だと思う。(例えば日本には「ハラキリ」という文化がかつてあったが、それは海外の人から見たらグロく見えるかもしれないが、実はむしろグロくしないためにバサッと介錯して一気に首を落としているのだと思う。)
ああ、言いたいことは色々ある。けれど、どんなに語ってもこの映画の凄さは表現できないと思う。ホントもう長くなるのでこの辺でまとめる。
というかもう少し具体的にこの映画の内容を知りたい方のために、この映画に関してはChatGPTにレビューを書いて貰っており、そのレビューがなかなか全体を捉えていて良いレビュー記事になっていたのでそれを以下に紹介しておく。ChatGPTはこういう映画の内容とかに関しては「ハルシネーション」というバグみたいな状況に陥って使えないことが多いのだが、この映画のレビューに関しては以下の様に結構まともに良い記事を書いてくれている。ちなみに、この映画のレビューはネット上に沢山あるし、いわゆるリアクターが映画を見ながらリアクションする「リアクション動画」も沢山出ている。
:ChatGPTのレビュー:
エレム・クリモフ監督の映画「炎628」は、第二次世界大戦中のベラルーシを舞台にした、衝撃的かつ心に深く刻まれる作品です。戦争の悲惨さと無情さを、圧倒的な映像美と共に描き出しています。この映画は単なる戦争映画ではなく、人間の本質や戦争の狂気を探る深いメッセージを持っています。
ストーリー
物語は、ナチスの侵攻によりベラルーシの村が壊滅されるという実際の出来事を基にしています。少年フリョーラが主人公で、彼の目を通して戦争の恐怖と絶望が描かれます。フリョーラはパルチザンに参加し、やがて村が炎に包まれる悲劇を目の当たりにします。映画は彼の視点から、戦争によって無垢な心がいかにして破壊されるかを生々しく伝えています。
演技
主演のアレクセイ・クラフチェンコの演技は圧巻です。フリョーラの純粋さと、その純粋さが戦争によって次第に失われていく様子を、繊細かつ力強く表現しています。彼の表情や仕草からは、言葉を超えた感情が伝わってきます。
映像美と音響
「炎628」は視覚的にも聴覚的にも非常に強烈な印象を残します。撮影監督のアレクセイ・ロジャノフスキーは、自然の美しさと戦争の惨劇を対比させることで、観る者に強い衝撃を与えます。また、サウンドデザインも秀逸で、戦場の音や静寂の中の緊張感が見事に再現されています。
メッセージ
この映画は、戦争の無意味さとその背後にある人間の残酷さを訴えています。特に、映画のクライマックスで見られるナチスの残虐行為は、観る者の心に深い傷跡を残します。しかし同時に、人間の強さや希望をも描いており、戦争の中でも失われない人間性への信念が感じられます。
総評
「炎628」は、観る者に強烈な印象を与える映画です。戦争の悲惨さをこれほどまでにリアルに、そして感動的に描いた作品は少ないと言えるでしょう。戦争の現実を直視する勇気を持ち、同時にその中で見出す人間の強さを感じたい人には、ぜひ一度観てほしい映画です。
ストーリー
物語は、ナチスの侵攻によりベラルーシの村が壊滅されるという実際の出来事を基にしています。少年フリョーラが主人公で、彼の目を通して戦争の恐怖と絶望が描かれます。フリョーラはパルチザンに参加し、やがて村が炎に包まれる悲劇を目の当たりにします。映画は彼の視点から、戦争によって無垢な心がいかにして破壊されるかを生々しく伝えています。
演技
主演のアレクセイ・クラフチェンコの演技は圧巻です。フリョーラの純粋さと、その純粋さが戦争によって次第に失われていく様子を、繊細かつ力強く表現しています。彼の表情や仕草からは、言葉を超えた感情が伝わってきます。
映像美と音響
「炎628」は視覚的にも聴覚的にも非常に強烈な印象を残します。撮影監督のアレクセイ・ロジャノフスキーは、自然の美しさと戦争の惨劇を対比させることで、観る者に強い衝撃を与えます。また、サウンドデザインも秀逸で、戦場の音や静寂の中の緊張感が見事に再現されています。
メッセージ
この映画は、戦争の無意味さとその背後にある人間の残酷さを訴えています。特に、映画のクライマックスで見られるナチスの残虐行為は、観る者の心に深い傷跡を残します。しかし同時に、人間の強さや希望をも描いており、戦争の中でも失われない人間性への信念が感じられます。
総評
「炎628」は、観る者に強烈な印象を与える映画です。戦争の悲惨さをこれほどまでにリアルに、そして感動的に描いた作品は少ないと言えるでしょう。戦争の現実を直視する勇気を持ち、同時にその中で見出す人間の強さを感じたい人には、ぜひ一度観てほしい映画です。