鑑賞した日付:2022年2月3日
アニメ「約束のネバーランド Season 2」  作者:白井カイウ
★★
総合点:32点/100点

 ネットでは原作レ●プとしてかなり評判が悪かったこのアニメのシーズン2。
そういう悪評をあらかじめ知っていたけれど、一応、シーズン1を見てしまった手前、その話の続きを知りたくて見てみた。さて、その内容は…

・この作品のシーズン1「約束のネバーランド」の評価・レビューはコチラ

 シーズン1のレビューに記したとおり元々問題のある題材の話だったが、確かに、ネットでの評判通りシーズン2は更に酷くなっていた。とにかく全体的に徹底的にチープになっていた。とにかく突っ込みどころが多すぎてとてもそれを全部指摘してここに書いていくわけにはいかない程。とにかくチープ。

 どういう理由か分からないが、制作会社や製作チームの中で何かしらの問題が発生して、取り急ぎこのアニメシリーズを終わらせたかったのだろう。僕は原作漫画を読んでいないので、具体的にどのように内容が歪められて端折られたのかということは分からない。分からないが、それにしても元々安易な内容のアニメである。これは作者も被害者であると言えるのかもしれないけれど、元々、この話自体が「私をはなさないで」から着想を得ている安易なモノ…だとするならば、作者も自業自得な気がする。

 そこで、どうしてこの話が安易で安直で褒める気がしないか?ということについて、今回はもう少し具体的な事を書き足しておこうと思う。

 それは、そもそも孤児院からの脱出劇!という物を描いた時点でそれが全てと言っても良いのだが、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」の中で、みんなで映画を見るというシーンがあり、その映画というのがスティーブ・マックイーンの「大脱走」なのだ。つまり、作者のカズオ・イシグロは、この話を読んでいる読者は当然、「そこから逃げちゃえばいいのに…」とか「脱出しろ!」とか考えることを百も承知で想定して、あえて脱出劇にしない!という選択をしているのだ。なぜカズオ・イシグロが脱出劇ではなく、むしろ職務に対する殉教の様な話にしたのか?という点については、以前書いた「わたしを離さないで」のレビューや「日の名残り」のレビューの方でも書いたが、カズオ・イシグロは一貫してそういうテーマを作品にしている人だからである。そしてだからこそ、本当にそれをそのまま「脱出劇」にしたこの約束のネバーランドという作品は安易だ!と言っているのだ。あの作品を読んだ誰もが思いつくことで、作者もそれを完璧に想定してそういう描写があるのだ。

 さて、このセカンドシーズン、その脱出劇だったシーズン1よりも世界が広がった感じがしてその部分は良かったが、やはり付け焼刃で作られたような端折り方をしており、さすがにノーマンがなぜそこまで超人として復活してきているのか無理があり過ぎるし、もう本当に、話の辻褄すらもどうでも良いほど取り急ぎ話を終わらせたようなEDになっていて醒めたしガッガリした。それだけのサバイバル的な冒険をしてきた数人の仲間、子供達が、最終的に現代のニューヨークみたいな都市部で普通に現代的な若者として暮らしている様子は逆に良かったような気もするけど。2022-3-6追記:あと、シェルターでの生活がちょっと素敵で憧れたw。僕ああいうのは好きw。

 全体的な感想としては、この作品に関してではなく、アニメという興業そのものに対して、なかなか思ったようにうまくいかない難しいところがあるんだなという様なところを垣間見たような気がする。そう、けものフレンズの一期の後のゴタゴタの時の様に。なんなら涼宮ハルヒのエンドレス8事件なんかもそうなんだけど、何か運営側で抜き差しならない問題が発生したのだろうな…と。それが全体を通して抱いた感想w。

あとやっぱり主人公の甘々な感じが無理があり過ぎる。
陳腐。チープ。安易。安直。

TVアニメ「約束のネバーランド」Season 2 PV