言の葉の庭
2014-11-15


鑑賞した日付:2019年7月10日
「言の葉の庭」  作者:新海誠
★★
総合点:38点/100点

 役者やクリエイターにはその時々で全く違ったものを表現するタイプの人もいるけれど、多くのクリエイターや役者はずっと同じことを表現し続けるタイプの人が多いように思う。だからキムタクが“キムタク役”しかできない…ということは必ずしも悪い事ではないと、以前書いた


 新海誠監督の作品をこれで3つ見てみたが、新海誠監督も非常に癖が強いタイプの作家さんで、そのクセというか、タッチが好きになれなければ…微妙だなぁと思った。

 とりあえず背景などは死ぬほど精密に写真などから起こしている、つまりトレースをしていると見えて、実写なのかアニメーションなのか区別がつかないほどリアルなのだが、ここまでトレースするならむしろもう、なぜ実写にしなかったのか…?と疑問を覚える。
実際、この話、このこちょばゆい…というか歯がゆいほどのメロドラマは、ジャニーズの子でも使って月9のドラマとして放送されたものならば、それなりに良いドラマなのではないか…?という風にも思った。
脚本的にはしっかりしているというか、この人は脚本を書くのは得意なんだろうな…という風にも思った。
これがもし実写で、且つ、もう少しセリフ等を自然に直せば、カット割りなどは良いので結構いい映画なのかもしれない。

ただ、
背景などはメチャクチャリアルなのに、人物描写がメチャクチャ不自然。
お前のこれまでの人生でただの一度でもそんな聖人君子みたいな高校生が居たか!?と、新海誠監督を小一時間問い詰めたい。一体おまえは今までの人生で何を見てきたんだ!?と。
登場人物は皆、シャツの裾をズボンの中にきっちり入れてまっすぐな瞳で分かったようなことを言う。気持ち悪い。でもこれが新海誠監督のタッチなのだなと。

 ♪カメラが下からグイッとパンしてタイトルロゴがドーーーーン!!というのは「秒速…」だけど、最後に強引に感動させるようなもっていき方やその剛腕というか怪力で感動させるやり方は確かに凄いけれども、それも毎回同じなんだね。この作品は特に最後のそれが強く出ていたように思う。でももうその手には乗らねーよ…なんて思ってしまった。

 実際にはそんな人絶対いない…!と断言したくなるような、物憂げな美人女教師と、これまた実際には絶対に居ない!と断言したくなるような大人びた聖人君子みたいな高校生の恋のお話。…です。
ちなみに、この女教師は「君の名は。」に出てくる「ユキちゃん先生」。つまり同一人物。…だそうです。

「僕は大人になったら靴を作る職人に成りたゐのです。」だってさwwww。

耳をすませばかよ!
青臭すぎる。

最後に大号泣しながら抱き合うシーンとか、観てるこっちとしては
「なんっ じゃこりゃ……」シラーー
って感じだったw。

そういうキモい部分が多い作品に思いました。。
ただ、このタッチで、且つ、君の名は…などから「SF」の要素が入れられて良くなっていった監督なのかなと。
SFやファンタジーや冒険もの等の何かが加わらなければ、本当にキショいメロドラマなだけだ。








言の葉の庭
2014-11-15