鑑賞した日付:2019年7月10日
「秒速5センチメートル」 作者:新海誠★★★★
総合点:85点/100点
純粋すぎるというか、…何だろう…、ピュアな青春、恋愛、純愛、失恋、みたいなものかな。純文学的と言えばそうなのかもしれない。
決して悪く無い、むしろ凄く良いと僕は思ったが、これで新海誠という人のタッチが分かった気がする。とりあえず毒っ気は無い人で、若干鬱気味のシリアスな内容をリアルに描く人なんだなと。
面白いか面白く無いかで言ったら全然面白くはないのだけれど、とにかくいろいろな意味で描写がリアルで凝っていてそれが良かった。
ただ何というか、スピリチュアルなまでに純粋で、純粋すぎて、ひねくれたところや斜に構えたようなところが無さ過ぎてこちょばゆいというか、少なくともこれをキモいと言って批判している人の気持ちもよく分かる。
確かに、キモいっちゃーキモい。童貞男子のロマンティシズムみたいなもの。
でも、そういうモノをそういう風に今更臆面もなく作って形にしたということが貴重というか、こういうものもあって良いし、あってくれと思わせる様なところがあった。
オッサンの僕がこんな少年少女の不器用な純愛みたいな話を見て心が動かされることはないが、若い頃に見たのならかなりキタ!のかもしれない。そういう懐かしいような良さはあった。
実際には北方謙三の人生相談ではないが、「ソープに行け!」で終わる話だw。
あと、これはちょっとネタバレだけど、エンドロールの流れ方というか、終わり方(終わり方の演出)が凄く良くて、それで最後に全て持っていったような、そういう作品だった。
これは北野武の「キッズリターン」以来の、そういう終わり方で、そこで全部持ってかれたw。
総論としては、
この主人公の男もそうだが、全体的な視点が女々しいと思った。
それがイイんだけどね。とにかく青臭い。だがそういうのもあっていいし、あってほしいと思った。
女の方は昔の事なんて忘れて新しい男を作ってバッコンバッコンやりまくって結婚までしちゃってるのに、男の方が「ぼくは今でも… そう…、 想ゐだすのです… 」みたいに“おセンチ”になってる。
しいて言うならそんなオチのそういうウジウジした童貞の話。童貞の美学。
あ、あと、世の中とか社会に対する漠然とした不安をよく表しているのは良かった。
こういう感覚というのは結局なんの役にも立たず、意味がない事だし、現実はもっとシニカルに残酷だったりして、…と、成長するにしたがって理解してくるのだと思うが、そういう気持ちというのは美しい様な気がするし、それを思い出させてくれたという意味では良い作品だった。僕も主人公の男と同様、何かその大切なものをすっかり忘れていた、忘れて久しかったようにも思った。
「ああ、おじさんも若い頃は“そんな”だったし、そういう事をそんな風に考えてたよ~」…みたいな。
そういう意味では共感した。
「北の国から」みたい。
メランコリックなカタルシスというのは確かにあったかもしれない。
決して悪く無い、むしろ凄く良いと僕は思ったが、これで新海誠という人のタッチが分かった気がする。とりあえず毒っ気は無い人で、若干鬱気味のシリアスな内容をリアルに描く人なんだなと。
面白いか面白く無いかで言ったら全然面白くはないのだけれど、とにかくいろいろな意味で描写がリアルで凝っていてそれが良かった。
ただ何というか、スピリチュアルなまでに純粋で、純粋すぎて、ひねくれたところや斜に構えたようなところが無さ過ぎてこちょばゆいというか、少なくともこれをキモいと言って批判している人の気持ちもよく分かる。
確かに、キモいっちゃーキモい。童貞男子のロマンティシズムみたいなもの。
でも、そういうモノをそういう風に今更臆面もなく作って形にしたということが貴重というか、こういうものもあって良いし、あってくれと思わせる様なところがあった。
オッサンの僕がこんな少年少女の不器用な純愛みたいな話を見て心が動かされることはないが、若い頃に見たのならかなりキタ!のかもしれない。そういう懐かしいような良さはあった。
実際には北方謙三の人生相談ではないが、「ソープに行け!」で終わる話だw。
なにをウジウジと“おセンチ”になっているんだ?と。
あと、これはちょっとネタバレだけど、エンドロールの流れ方というか、終わり方(終わり方の演出)が凄く良くて、それで最後に全て持っていったような、そういう作品だった。
これは北野武の「キッズリターン」以来の、そういう終わり方で、そこで全部持ってかれたw。
総論としては、
この主人公の男もそうだが、全体的な視点が女々しいと思った。
それがイイんだけどね。とにかく青臭い。だがそういうのもあっていいし、あってほしいと思った。
女の方は昔の事なんて忘れて新しい男を作ってバッコンバッコンやりまくって結婚までしちゃってるのに、男の方が「ぼくは今でも… そう…、 想ゐだすのです… 」みたいに“おセンチ”になってる。
しいて言うならそんなオチのそういうウジウジした童貞の話。童貞の美学。
あ、あと、世の中とか社会に対する漠然とした不安をよく表しているのは良かった。
こういう感覚というのは結局なんの役にも立たず、意味がない事だし、現実はもっとシニカルに残酷だったりして、…と、成長するにしたがって理解してくるのだと思うが、そういう気持ちというのは美しい様な気がするし、それを思い出させてくれたという意味では良い作品だった。僕も主人公の男と同様、何かその大切なものをすっかり忘れていた、忘れて久しかったようにも思った。
「ああ、おじさんも若い頃は“そんな”だったし、そういう事をそんな風に考えてたよ~」…みたいな。
そういう意味では共感した。
「北の国から」みたい。
メランコリックなカタルシスというのは確かにあったかもしれない。