タイタンの幼女

鑑賞した日付:2019/02/04日頃
「タイタンの妖女」  作者:カート・ヴォネガット

総合点:15点/100点

SF小説。書籍。

 お笑いコンビ爆笑問題の太田氏が大絶賛でお勧めしていて読んでみた本。
そもそも自分達の事務所の名前(タイタン)もこの小説のタイトルから取ったとのこと。

ただ、アマゾンでの評価はわりと低いものも多かった。
果たしてどちらが正しいのか?



 とにかく意味の無い情景描写ばかりで全くストーリーが進まずのめり込めないし、ストーリーが頭に入ってこない。読み続ける集中力を削がれるツマラナイ文体で最後まで読む気になれなかった。
 全体の、SF的なセンスは良さそうな気がしたけど、それ以外に良い部分も発見できなかった。
とにかく読むのが苦痛。なんだか非常に読みずらいし、つまらなかった。
とにかく、どうでもいい情景描写に徹した俯瞰の文章ほどつまらないものは無い。

マラカイ・コンスタントは●●●だった。
そのあと●●●に行った。
そこは●●●だった。
次の部屋に行った。
(じゃあその前の部屋の情景描写は何だったの?)
その部屋は●●●だった。
ウィンストン・ナイルス・ラムファードは●●●と言った。
(じゃあその前の部屋の描写必要?)
マラカイ・コンスタントは●●●と思った。
トラルファマドール星のメッセージは、点がひとつ。
トラルファマドール語で「よろしく」という意味だった。
ウィンストン・ナイルス・ラムフォードの飼い犬のカザックは●●●だった。
●●●は●●●だった。


大体こんな感じの意味不明で意味を把握しづらい箇条書きみたいな文章。
一体何が面白いんだ…!?

星新一みたいな、どこかコミカルで風刺的な皮肉を感じる様なSFって訳でもないし、かといって設定が練り込まれた深遠で怖いタッチのシリアスなSFって訳でもないし、一体何が言いたいんだ…?と疑問に思った。アマゾンの説明には「人類の運命をユーモラスに描いた作品…」となっているが、一体どこが“ユーモラス”なのか…? フフッと笑える所すら無かった様に思うが、全体的にブッ飛んだ状況なのに淡々と描いているというところがその“ユーモラス”という部分なのだろうか…?

 良い点を一つ上げるなら、かなり明後日の方向の結論ありきで作られたストーリーというか、そこに至るまでの描写はどうでも良いというか、そういう後ろから作られたようなストーリーは良い点かなと。

タイタンの妖女
カート ヴォネガット ジュニア
早川書房
2013-03-29