君の名は。
市原悦子
2017-07-26


鑑賞した日付:2018年10月20日頃
「君の名は。」  作者:新海誠
★★★★★
総合点:112点/100点

国内外の高い評判通り、やはり非常に良い作品だった。
これは本来、ジブリがやらなければならなかった内容の映画のような気がするが、ジブリでは無いところがこれを作り、そしてジブリの土俵でジブリを完全に失神KOしたような映画だと思った。


点数の通り、全てが素晴らしくて何も言うことはないが、しいて言うなら、流石にラッドウィンプスの曲を使いすぎの様な気もした。
勿論、そもそものコンセプトや企画の段階でラッドウィンプスに全ての曲を任せ、且つ、ラッドの曲とのコラボみたいな映画である事も知っているが、そしてラッドの曲も問題なく良いのだが、それにしても…と思った次第だ。
そもそも映画の本編の途中で完全に歌モノの曲を聞く、御静聴するシーンが挿入される映画なんて昨今珍しい。80年代のアメリカの青春映画かよ!と。


最初に一回見ただけでは、色々と不明な点があったり意味が分からいシーンなどがあるが、全体として非常に良いので見終わった後、何度もそれを確認するために見直す様な気にもなる。そして見直せばそれらの意味も分かって尚良いと思えた作品である。

東北大震災の影響で書いた脚本とのことだが、実際にあの時、色々な事を思った人は多いだろう。というか、殆どの人があの東北大震災の時に色々な思いを抱いたことと思うが、新海誠監督はこのように解釈してアウトプットしたということが凄いと思ったというか、僕を含め、世の中のすべてのクリエイターがこの件に関しては「負けた」と思う。
あの東北大震災が起こった時、「もし、このことを事前に知っていたら自分はどのように動いただろうか?」みたいな妄想は結構多くの人がしたのではないだろうか? にもかかわらず、結局それをこういう形で見事に表してみせたのは新海誠監督だけだったということだ。僕を含め他のクリエイターはクリエイターとして完敗である。

ただ、もしこの作品の話のスジを、つまりまったく同じ話のスジをクリストファー・ノーランとかJJ・エイブラムスが考えたとしたら、瀧君役はジョニー・デップ、三葉役はアン・ハサウェイとかにして大人の恋愛の話にするだろう。それがイイとか悪いとかの話では無くて、何が言いたいのかというと、要するに日本はなんでもかんでも女子高生アニメにするし、女子高生アニメにしないと何も表現できないし、実際に見向きもされない(売れない)ということだ。日本のそういうところはキモいと思う。

瀧君をちょっとおっちょこちょいでコメディテイストにするならベン・スティラーとかねw。

あと、洋題についてだけど、これはちょっと僕にもそのニュアンスが分から無いところだけど、一応、書いておくと、洋題は「Your Name.」らしいんだけど、んで邦題は「君の名は。」と、最後に「。」が付いているのだけれど、これ、邦題は「。」はイラナイと思うし、洋題の方は「Your Name is…」という風にした方がイイんじゃないかと。
「えっと…君の名は……なんだっけ…?」という感じにするのなら。ね。

この映画の曲を務めたラッドウィンプスの英語ヴァージョンの曲や、その違和感等については姉妹サイトの方で紹介した。↓↓↓↓
映画「君の名は。」の主題歌や挿入歌の英語ヴァージョン








君の名は。
市原悦子
2017-07-26