鑑賞した日付:2013年11月4日
「インセプション」 作者:クリストファー・ノーラン★★★★★
総合点:98点/100点
他人の夢に入り込んで現実を変える話。SF。
ストレンジ・デイズとマトリックスを混ぜたような話だが、リアルに哲学的に深く考えてしまうとけっこう怖い内容の話で、脚本もなかなか考えられていてよかった。
レオナルド・ディカプリオと渡辺謙、特にジョセフ・ゴードン・レヴィットが異常にカッコイイ。
フランスの大学に舞台が移ったり、服装なども全体的にどこかスタイリッシュ。
後から見直してみると、最初からかなり伏線も張られていて良かった。
VFXや特撮も見事で、無重力のシーンは本当にリアリティーがあった。
個人的にはなぜか、統失的な話のようにも感じ、非常に怖い話であると思った。
統失というか、パニック障害があるような人には悪い意味で“くる”作品。内容。だと思った。
というのは、何らかの麻薬でバッドトリップした時に感じるという、「早く現実世界に戻らなくちゃ…」みたいな焦燥感を感じさせられる様な、そういう恐怖感があった。
夢の階層の中でも特にずっと深いところ、特にディカプリオと奥さんの深い所は、なんだか非常に美しくもあり怖くもあり、懐かしいような、それでいてちょっと冷たい無機質な理想像の様な世界観で、これも何とも言えない良さがあった。
が、最後は結末を無理やりリドル・ストーリー風にした感は否めないだろう。
※2020-1-11加筆
とにかく素晴らしい映画で色々と言いたいことがある映画なのだけれど、これはもう見て感じてもらうしかない。
今となってはクリストファー・ノーランの代表作でもありそれ故の良さがふんだんに盛り込まれている作品なのだが、この当時はそういうことは全然知らず見た映画。
よくよく考えると夢の中で見る夢の中で見る夢…みたいな感じに夢の階層を潜っていくという内容、そしてその夢を描き変えることにより現実世界を変える…というのはあまりにも無理がある設定だと思うが、それもクリストファー・ノーランの持ち味とも言える所なのでまあ、良いでしょう。
映画なのにくだらないソープオペラみたいなものが多い昨今の中で、あたりまえだけど、すごく「映画」って感じもあって非常に良かった。
映画らしい映画というか。
↓この音楽は以前、ひろぶろDJミュージックの方で紹介した。