鑑賞した日付:2020年5月10日
「十二大戦」  作者:西尾維新
★★★
総合点:68点/100点

 十二支の代表が生き残りをかけて殺し合う殺し合いゲーム。その名も「十二大戦」。
 最後まで生き残った優勝者には一つだけなんでも願いが叶うという権利が与えられる。


 集英社の漫画雑誌合同で行われた企画のキャラクターデザインを西尾維新が気に入り、キャラクターデザイン先行で小説を作るという企画で執筆されたものらしい。

 西尾維新の小説ということで観てみたが、なんだか全体的に手抜きというか、十二支それぞれの特徴などに共感も出来ずあまり面白く無かった。また、西尾維新なら手の込んだ脚本なのだろうと期待しすぎたのも良く無かったのかもしれない。
 そもそも、十二支の代表が生き残りをかけてほぼルールなしで殺し合うという、メチャクチャ面白そうな題材にまでたどり着いているのに、その最高の題材を無駄にする様な話の展開やキャラ設定で萎えた。せっかく最高の題材なのに・・・と。

 辰と巳や寅などの本来一番強そうなものがザコ扱いで、最もザコっぽい卯が最初から完全なラスボスキャラで描かれていたのもなんだか興醒めだった。きっと西尾維新がウサギ年生まれなんだろうな…と思ったけど、調べてみたら酉年生まれらしい。いずれにせよ、辰年生まれの僕は御立腹。業腹であるw。
 そういう事もあり、第10話まで見た時点での総合点は10点くらいだった。

 ところが、最後の2話は凄く良かった。
 元々「Fate」みたいな話だなと思っていたが、総合評価としてもちょうど「Fate Zero」と同じように、最後の2話でそれまでのダメさを全部回収したような良い結末、オチだった。でも、やっぱりそれまでが滅茶苦茶つまらないし、そんなんじゃダメだよね。

 僕は絵のことはあまり分からないけれど、「聖☆おにいさん」「荒川アンダーザブリッジ」の中村光が担当したという絵も、ちょっと雑な気がした。中村光が悪いわけでは無く、アニメ化するにあたってあまり良いアニメーターが見つからなかったのかもしれないけど。いや、今見直してみると絵も綺麗…かな…。

 この話の根幹である“キャラ設定”も、非常に雑、且つ、共感できないものだった。
ただ最後のオチだけが良かったような作品。

 それにしてもwikipediaのこの「十二大戦」のページも酷いな…。オチまで全部書いてしまっている…。こういうのもどうかと思うわ・・・。wikipediaに得意になってネタバレを書いているバカも取り締まったほうが良いのではないだろうか?アニメの解説はそういうのが多いが…。なのでこの作品を始めて見る人は見終わるまでwikipediaは見ない様にした方が良い。

 最後の2話(11話と12話)は本当に、メチャクチャ面白かった。
 最後の2話だけなら100点以上あげられる。